グルカ兵

今回の旅の中で、教えることを除く個人的なハイライトは、キンシャサに住むグルカ族の兵士たちと知り合えたこと。

 

すごく興味深い歴史を持つ彼らは、何より本当に優しさと忠誠心に満ちた人たちでした。私たちが出会ったグルカ族は、ネパール出身の兵士で、現在はイギリス陸軍の一部としてキンシャサに勤務しています。イギリス軍には、グルカ兵だけで構成されている特別部隊がいくつかあるのだそうです。

きっかけはなんと、1800年初期に、グルカ兵と戦ったイギリス軍が、グルカ族の兵士としての誇りの高さに感心し、戦争終了後、グルカ族の兵士たちをリクルートし始めたのだそうです。

 

キンシャサにも、イギリス政府の元で働くグルカ兵がいて、嬉しいことにある日の夜、彼らからディナーの招待をされました。現在キンシャサに住むグルカ族は8〜10人、全員一緒に住んで、勤務時間外の人が順番でご飯を作ったり家の仕事を手分けしています。

彼らの家に着くと、全員が一列に並んで温かくお出迎え。一人一人と順番に握手をし、中に入ると、10種類のおかずと2種類のビール、それからたくさんのリキュール類がきちんと並べられていました。私たちが、お皿におかずを盛り席に着くまでは、じっと立って待っていた彼ら、私たちが席に着くとやっと、自分たちのお皿を盛って、全員着席。

 

グルカ族の地元料理は本当に美味しい!なんとなく辛いものを想像していた私、でも。おかずは全部風味豊かで、たくさんのスパイスが使われているのにも関わらず、辛さは全くといっていいほど感じませんでした。

人生のほとんどを、不安定な国々や戦線で過ごしてきた兵士たちと、ニューヨークからやって来たクラシック音楽を演奏するフルート奏者、最初は会話がぎこちなかった私たちでしたが (笑) 、ネパールから来たグルカ族は、伝統音楽に合わせて歌ったり踊ったりするという、根強い文化を持っていることが分かり、そこからどんどん打ち解けていきました。彼らの伝統音楽を聴かせてくれ、次回は一緒に何か演奏しよう!なんて話にもなりました。(^^)

 

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何杯かお酒が入った後は、彼らの一番の武器であるククリと呼ばれるナイフに話がおよびました。このククリは、グルカ族だけが使う武器で、戦争にも、お料理にも使うとのこと!

また、伝統的な儀式にだけ使われる特別なククリもあり、儀式まで10日間絶食をした後、選ばれた1人が、ククリでヤギの首を一度ではね、その血で、彼らが使うすべての武器を清める。そこには「この一年、武器を使うことなく、また無事に家族の元へ帰れますように。」という願いが込められているのだそうです。

そんな特別なククリを触らせてくれた時にはどきどきしてしまいました!

以外と小さいこの刀は、少しカーブがかかっていて、持ち手のすぐ上のところには、戦いで使った時に、血で刀の握り方が不安定にならないよう、V字型の切り込みが入っています。勤務中は、体のベルトの左側にククリを装着しているグルカ兵、危険な状況では、彼らが使う他のどんな武器よりも、本能的にククリに手がのびるんだ、と話してくれました。

 

グルカ兵がいかに忠誠心が強く、仲間のためには命を惜しまず、年間45日間の休暇を除いてはずっと、遠く離れた地に住み、そこからネパールやインドに住むたくさんたくさんの家族を養っている、という話を聞いていました。更に、戦場では、クックリ刀で首をはねることが、ただ一つの高潔な敵の倒し方であると強く信じている、とも聞いていました。でも時間を共に過ごして初めて分かったことは、彼らはもちろん立派な兵士であるけれど、同時に本当に優しく親切な人間で、彼らの文化と、国を超えて、共に働く人や関わる人に対して、深い尊敬の念を持ち合わせている、ということ。

 

一人の人は、私たちのパーティーで出したワカメサラダをすごく気に入ってくれて、彼らの地元料理を思い起こさせたんだ、と話しててくれました。味付けまでそっくりだったようで、みんなのお気に入りでした。

 

また、もう一人の人がしたおかしな話。一人でキャンプに行ったワイルドな彼は、ご飯用に鶏を捕まえました。足をしばった後、火を起こし、のんびりお野菜を切って、美味しいオトコ料理の下準備完了。さぁお料理を、と思ったら捕まえたニワトリがいない!なんと、足は縛られたものの、羽根は自由だったニワトリ、どうやっても彼の手にはぎりぎり届かない、近くの屋根の上に飛んで行ってしまったのです。それでも、いつか戻ってきてくれるかも、という微かな期待で、じぃっと待ち続けること数時間。でも最終的には、持ってきたビールを全部飲み干し、火もだいぶ弱ったところで断念。火を消し、後片付けをし、おとなしくテントに帰って行きました。笑

 

こんなグルカ兵たちがキンシャサの街で人々を護ってくれていることに安心感を覚えます。次回は一緒に歌って踊って、ワカメサラダを食べながら、もっといろんな逸話を聞きたいなぁ。(^^)

 - Nana