コンゴのお花は何?(Day 6 Part 1)

オーケストラメンバーと過ごす2日目、朝10時に到着すると、昨日と同じように、2~3人のミュージシャンたちが暖かくお出迎え。全員が時間通りに現れないという事実はあまり気にせず、そこにいる2~3人と、譜面台を見つけて指導開始。時間の経過と共に昨日教えたフルーティストたちもやって来ました。なんと全員、既に昨日と比べてすごい上達ぶり!彼らの飲み込みの速さは本当にエキサイティングで、私が今までに先生たちから教わった数々のコンセプトを、もっともっとシェアしたいという願望が募りました。

生徒たちもだんだん打ち解けてきて、たくさん話してくれるようになりました。彼らはみんな理想が高く、頑張り屋さん。たとえ私が「その通り!じゃあ次に行ってみよう!」と言っても、納得いかない場合「もう一回やらせてもらえますか?」と聞いてくるその態度には心打たれました。質問も多くなり、ただの受け身のレッスンではなくなってきました。

教えたいこといっぱいの私と、教わりたいこといっぱいの彼らのエネルギーで、時間はあっという間に過ぎていきました!彼らを見ているとまるで自分を見ているよう。『生徒』のメンタリティーから決して抜け出せない私は、何度Kaoriに「もうNanaちゃんは私の生徒じゃないのよ。」と言われても、Kaoriに聞きたい質問は底を尽きないのです。

そうこうしているうちに、お昼ご飯の時間。コンゴ料理が食べたいと言った私たちに彼らは、お魚と、フンブワと言われる根菜(?)のシチュー、それに、クワンガというパンとお餅のあいのこのようなものを買ってきてくれました。テーブルを囲んでおしゃべりしながらおいしく食べているうちに、ふと気付きました・・何とご飯を食べたりお水を飲んだりしているのは私たちだけだ、ということに。多くのコンゴ人たちは、一日一食がやっと、でも私たちが毎日お昼ご飯を食べる間、嫌な顔一つせず、ただ礼儀正しくやさしく、一緒にほがらかにそばにいてくれるのです。

時間と共に、私たちはお互いのことをさらに理解し始めました。レッスンでの会話を通して、通訳のオノレや、トムのリンガラ語の本を使って、それからピュアなやる気を通して、私たちは更に更にお互いの文化に橋をかけていきました。お昼休みに彼らの生活について聞き、彼らは私たちの生活について質問する・・。もちろん時には理解し合うことが難しいこともあったけれど、すんなり分かり合える瞬間もたくさん。

「お仕事は何ですか?」という質問は彼らにとってすごく難しい質問だということも学びました。ほとんどのコンゴ人は定収入がない、ということはいわゆる『職業』というものが1つや2つではない。出来ることはなんでもして、日々を生き延びているのです。そんな彼らに「私たちのところにいっつも来てください!」と純粋に言われるとなんと言っていいか分かりませんでした。ニューヨークのフリーランスのクラシック音楽家の私たち、「いっつも」自由にキンシャサに飛んで行けるような経済力はありません。でも、彼らとの間に明らかな経済的環境のギャップが存在することは事実で、その事実を尊重しながら私たちの経済力を限られた語彙で話すことは不可能でした。

でも、もっともっと簡単に分かり合える質問もたくさんありました。

「ベートーベンは好きですか?」

「結婚してますか?」

「ボーイフレンドはいますか?」

「どうしてフルートが好きなんですか?」

 

午後になり、木管楽器奏者が集まり、みんなで、アンサンブル用に編曲された、さくらさくらを吹きました。音程、和声感、ブレスコントロールをはじめ、数々の音楽的要素をレッスンした後、桜についておしゃべりをはじめました。桜はピンク色で、繊細で、年に1度しか咲かない・・毎年桜が満開になると、家族や友達と一緒に、桜の木の下でピクニックをしながらお花見をするのよ、なんて話をした後、コンゴの特別なお花は何?と聞いてみました。

この質問が大ウケ。メンバーの1人が一つの花の名前を言うと、他の誰かが「えー違うよ」と言って他のお花の名前を言う。笑いながら、首を振りながらそんなやり取りが数分続いた後、ある1人が、小さな花びらのついた花を提案。これに納得した彼ら、今度はそのお花を私たちに一生懸命説明してくれました。でもこのお花の名前がどうしても思い出せません。(涙)覚えていることは、小さな花びらがついたお花で、彼らはそのお花を眺めることにはあまり時間を費やさないけれど、しょっちゅう食べるのだそうです。(^^)

これもまた、彼らの生活と文化に少しだけ近づけた気がした瞬間でした。コンゴの文化を一生懸命話してくれる彼らに感動し、また私たちの文化と音楽を分かち合えることに喜びを覚えた時間でした。

image.jpg

- Nana