チトゥンガーーーーーー!!(Day 5)

キンシャサを去る2日前まで、意味がわからなかったのにもかかわらず、キンバンギスト交響楽団のメンバーを教え始めた初日から使い始めたリンガラ語の単語があります。

オーケストラとの初日、オーケストラマネージャーのセスから事前にe-mailでもらっていたスケジュール表とフルートを抱えて、練習場に向かいました。

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スケジュール表はこんな感じ→

キンシャサ到着の数週間前、セスから初めてメールが届き、そこにスケジュール表まで添付されていることに気付いたときは、「楽しみにしてくれてるんだ、きっと!」っと大興奮。でもその後すぐ、「この人たち、みんな仕事を休んで来るのかしら?」という質問が頭をよぎりました。それからというもの、頭はたくさんの質問でいっぱいだったのですが、限られたe-mailでのやりとりからは、答えを知る良しもなく・・。「どうやって楽器の吹き方を学んだのかな。」「楽器はどこから来るんだろう。」「いつ練習してるの?」「そもそもなんで音楽やってるのかな。」???

その後数週間のうちに、私たちは、オーケストラがどのように機能しているのかについて、100通りは想定してみたと思います。どのシナリオも結局クエスチョンだらけ。で、最後はいつもコレ。「とにかく行ってみなきゃわかんないね!うーん、楽しみ!」(笑)

そしてやっと訪れた初日、キンシャサのなかなかスリリングなドライブにもまだ慣れていない中、興奮して窓の外を見つめ、セスがe-mailで言っていた緑色の門を探しました。

到着すると、フレンドリーなファゴット奏者のジェリーと、5人いるフルーティストのうちの1人、ギルが出迎えてくれました。ジェリーは多少英語を話すものの、ギルはリンガラ語とフランス語のミックス、しばらくぎこちないやり取りを交わした後、みんながもっと自然にできることをはじめました。それはもちろん音楽!(^^)

私はギルと一緒に部屋に入りフルートを取り出し、音出しを始めました。彼が持ってきたベートーベンの第九のパート譜を使って、レッスン開始。初めのうちは、コミュニケートの仕方に戸惑ったし、何せお互いのことを知らなさすぎるから、おどおどする場面もあったけれど、だんだん、この環境でフルートを吹きながら教えることにも慣れ、『お家に帰ってきた』ような気持ちに戻ってきました。フランス語とリンガラ語をどうにか駆使しながら教え、どうにもならなくなったら、吹いて見本を見せる。「お腹のサポートをもう少し使ってみよう」、という話をしたときは、彼の手を取って私のお腹に当てました。こんな行為は普通ならヘンなこと、でも『フルートレッスン』という枠内では自然に感じました。ギルも同じように思ってくれたと思います。だって、だんだん笑顔が多くなり、演奏にも自由さが増してきたんだから!(^0^)

お昼の2時になる頃には、ミュージシャンたち続々登場。フルート奏者4人、オーボエ奏者1人、クラリネット奏者2人にファゴット奏者1人を集めて、アンサンブルの授業をしました。ただ『上手』というだけでなく、一音一音から溢れ出る感情と愛に私たちは本当にびっくり!演奏しながら体が自由にゆったり動き、ベートーベンが書き込んだニュアンスと音色を感じながら演奏していることに感動!この瞬間に彼らを心から理解できました。彼らが演奏しながら感じていることは骨の髄まで分かり、その感覚が私たち全員を心から繋げました。音程や楽器ごとのバランスなどを直していきながら、音楽は、誰があっているかや間違っているかが大切なのではなく、全員が1つになるチームワークで成り立つんだ、という話をしてみました。文化も風習も言語も分からない外国で、こういうコンセプトを話すのはなかなか難しいもの。でも音楽を通すと本当に簡単になる。幾つかの曲をみんなで演奏しながら、全員が全員のパートを理解して聴きながら自分の音を微調整する・・。私たち全員が、クラシック音楽をいかに愛しているかに気付かされた時間でした。

アンサンブルの授業が終わると、オーボエ奏者が目をキラキラさせながら「チトゥンガーーー!って言ってみて!」とササヤキにやってきました。彼のオモシロそうな表情を見て、きっと何かキタナイ言葉に違いない、と踏んだ私たち。(笑)でもあまりにも何度も「言って言って!」とせがまれ、2人でヒカエメに「チトゥンガーー・・」。。すると驚いたことに部屋にいたミュージシャンたちは全員飛び上がり大笑いしながら、全員で「うぉ〜〜〜!」とウナリ声。なんだなんだなんだ?!

こうして『まだ分らないことリスト』に一項目増え、練習場を後にしたのでした。まだミュージシャンたち1人1人についてもよく分りません。でも自信を持ってわかったことが1つ。それは、彼らは本当に音楽を愛していて、もうすでに上手で、でもさらにもっと上手になりたいと思っている、ということ。彼らとの繋がりを感じ始められた私たち、明日は一体どんなことが起こるのか、それから『チトゥンガーーー』の意味はいったい全体何なのか・・なんてことを思いながら、初日を無事に終えたのでした!

「チトゥンガーーー!」「うぉ〜〜〜!」

「チトゥンガーーー!」「うぉ〜〜〜!」

- Nana